読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2020-01-28から1日間の記事一覧

ニコラウス・クザーヌス「ニコラウスへの書簡」(1463)

全能と限界付き能力の差異。人格神としてではなく神=無限として読み替えて参考にしている。 神においては不可能なことは何もないのであるから〔ルカ1・37〕、様態についてのいかなる問いも〔神においては〕消え失せるのである。なぜならば、神のうちでの…

野口米次郎「詩人」(From the Eastern Sea 1903『東海より』より)

詩人 深淵と暗黒をつん裂いて、輝き出づる神秘、一つの姿、完全なる物、恰(あたか)も太陽の上るが如し。ああ、その呼吸は香しく、その両眼は星の道を照らし、その顔に微風あり、彼は空にかかる幻想(まぼろし)の如く歩み、永劫の熱情を放散しゆく。彼は朝…

深光富士男『面白いほどよくわかる 浮世絵入門』(2019)

絵師だけではなく彫師、摺師の卓越した技術をやさしく教えてくれる一冊。紹介だけでなく消しゴム版画で実践に誘うところも魅力的。制作過程の紹介から簡易体験までの一連の流れをまとめあげた24ページから47ページまでがこの作品の味わいどころ。そこを…