読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

長田弘 『最後の詩集』

長田弘
最後の詩集

www.msz.co.jp2015

 

最後の詩集での一番の事業は、詩と生を肯定することであったと思いました。
みごとな成功作です。

 

わたし(たち)のすぐそばに
一緒に生きているものたちの
殊更ならざる真実の、慕わしさ。
それら、物言わぬものたちが
日々に徴している親和力によって、
人は生かされてきたし、救われもしてきた。
そのことを無事、大事と考える。
「夏、秋、冬、そして春」p20


長田弘
1939 - 2015