読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

郡司ペギオ幸夫『いきものとなまものの哲学』

郡司ペギオ幸夫
いきものとなまものの哲学

青土社 ||哲学/思想/言語:いきものとなまものの哲学

2014

 

「いきものとなまものの哲学」というよりも「いきもののなまにえの哲学」という印象をもった。時にゆるゆるで、時にごりごりの文章配合は、一冊の本としてとても成功しているとはいいがたい。目次からしてバランスが悪い。芸術と科学のタッグのコンビネーションもまだ粗削りだ。
近作の『天然知能』のほうがまとまりがあって読みやすいものになっていると思う。

 

目次:
はじめに カレーにみる世界制作の方法
1 脳内他者とわたし
 1他者を取り込む<わたし>
 2<わたし>の肉体と意識
 3いま・ここにいる<わたし>
2 モデルの登場
 ポスト複雑系因果律と準因果作用子の邂逅
3 モデル実装への糸口―生きものにみる社会性
 1大きさはどこからくるのか
 2計算のバイオロジカルな拡張
4 実装―双対図式の脱構築
 1潜在性はいかにして表現されるか
 2空間はどこからくるのか)
あとがき B級グルメにみる生命モデル


郡司ペギオ幸夫
1959 -