読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

『定本清岡卓行全詩集』(思潮社 2008)

刊行詩集全17冊。37歳で初めての詩集『氷った焔』を出してから、詩集ごとに様々に趣の異なる詩作品を制作している詩人であるが、いずれも成熟した安定感のある詩集に仕上がっているところには感心させられる。青年期から書くことには自信を持っていたようだが、晩年まで途切れることのない創作意欲と作品の質と量には目を見開かされる。

他人の破滅をふかくいつくしむ端正。
自分の破滅ときびしくたたかう端正。

「ひさしぶりのバッハ」でバッハを称えた言葉は、清岡卓行自身にもふさわしいものであった。

【目次】
『氷った焔』1959
『日常』1962
『四季のスケッチ』1966
『ひとつの愛』III 1970
『固い芽』1975
『夢を植える』から1976
『駱駝のうえの音楽』1980
『夢のソナチネ』から1981
『西へ』1981
『幼い夢と』1982
『初冬の中国で』1984
『円き広場』1988
『ふしぎな鏡の店』1989
『パリの五月に』1991
『通り過ぎる女たち』1995
『一瞬』2002
『ひさしぶりのバッハ』2006

【付箋箇所】
22, 36, 99, 116, 121, 124, 133, 146, 151, 155, 162, 164, 173, 312, 387, 389, 489, 595, 634, 642, 886, 892

清岡卓行
1922 - 2006

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