交通事故の後遺症で光を過敏に感じるようになった画家GOMAの作品に谷川俊太郎の詩をあわせた一冊。押しとどめることのできないインプットに押し流されてしまわぬように向き合うほかなかったアウトプットの時間。過剰なものに向き合うことを可能にした点描画は、これまた病に向き合わざるをえなかった草間彌生の水玉の作品にきわめてよく似ている。作品の良し悪しよりも先に、生き辛さに向き合うために生み出された作品というものを見させ考えさせてくれる。
既にある形を宇宙に捨てて
まだない形をここで受胎しても
流産を恐れて悪夢が続く
信ずる存在の破片が虚空に飛び散る
呟きがかすれた悲鳴になる
(GOMA作品「夜に咲いた朝顔」にあわせられた谷川俊太郎の詩篇 )
過剰なものの中でかろうじて堰き止められた秩序ある時間と空間。
GOMAオフィシャルウェブサイト