ゲオルク・ジンメルもドゥルーズ=ガタリもちゃんと読んでいるわけではないので一読者の勝手な印象でしかないのだが、ジンメルはおだやかなドゥルーズ=ガタリ(且つガタリ弱め)のような感じがしていて、咀嚼するのに大変なところはあるものの、いろいろおもしろい。
内的な適応は所与の状況にとって、それを利用しつくすかあるいは戦いぬくか、それに耐えるかそれを短縮するか、このいずれかのためにまさにもっとも合目的的である感情をわれわれに育成するということである。そしてこの感情は、目前の課題の遂行と内的な対立志向の解消とに必要な力を、心的な関連をつうじてわれわれに提供する。いかに激しい闘争も心的な衝動の複合――たとえただ次第に成長するとしても――に支えられるのでなければ、永続するはずはないであろう。このことは大きな社会学的意義をもつ。すなわちたんに闘争のみのための闘争の純粋性は、一部は客観的な利害と、一部は闘争以外の方法でも満たされることのできる衝動との混合に遭遇し、この後者の衝動が、実際には抗争と他の相互作用とのあいだを架橋する。
(ゲオルク・ジンメル『社会学』1908 居安正訳 白水社 1994 上巻 第4章「闘争」p279-280 太字は実際は傍点)
連休中に5冊読了を目指して、進捗優先で読みすすめている。現在、付箋箇所振り返りなしの純粋初読で50%弱といったところ。どうにか読み切れそうな感じになってきている。
【連休一日目 2020/11/21 終了時進捗】
・『社会的分化論 社会学的・心理学的研究』(1890) 石川晃弘, 鈴木春男 訳 (中央公論社 世界の名著 47 1968, 中公クラシックス 2011) 読了
目次:
第1章 序論-社会学の認識論(要約)
第2章 集団的責任
第3章 集団の拡大と個性の発達
第4章 社会的水準
第5章 社会圏の交錯
第6章 分化と力の節約の原理
・『ジンメル・エッセイ集』 川村二郎 編訳 (平凡社ライブラリー 1999)読了
目次:
廃墟 1911
把手 1911
アルプス 1911
橋と扉 1909
風景の哲学 1913
ベックリンの風景画 1895
フィレンツェ 1906
ヴェネツィア 1907
額縁-ひとつの美学的試論 1902
シェテファン・ゲオルゲ-芸術哲学的考察 1898
大都会と精神生活 1903
冒険 1910
・『社会学』(1908) 居安正 訳(白水社 1994 上巻)
上巻目次:
第1章 社会学の問題
第2章 集団の量的規定
第3章 上位と下位
第4章 闘争(進行中……)
『社会的分化論 社会学的・心理学的研究』と『ジンメル・エッセイ集』を読んでいるときのBGMはチッコリーニ演奏のエリック・サティのピアノ曲全集の4枚目(「官僚的なソナチネ」「スポーツと気晴らし」など)をリピート再生。『社会学』はすこし雰囲気が変わって、読み取っていくのに時間がかかってサティとも合わなくなってきたので、バーンスタイン指揮のチャイコフスキー交響曲5番にしてみたら何となく合ったのでリピート。
2日目につづく・・・