読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

【お風呂でロールズ】04.『政治哲学史講義』ロック(講義Ⅰ~Ⅲ) 所有と階級国家についての思想の講義

古典は今現在の視点で批判しても意味はなく、それが書かれた当時の状況において、どのような問題を解決するために書かれたかを考慮しつつ読む必要があるというまっとうな指摘は記憶に残ったが、ロックのどこら辺に限界があるのかはあんまり残らなかった。ロールズが解説してくれるロックは普通に教えを与えてくれる偉人に見える。読みが甘いということか。関心が薄いために深掘りできていないということか。

後につづけられるようロールズのロック思想についての指摘部分をメモ。

ロックの考えでは、市民の権利と自由が、私たちが避けたいと思う仕方で、歴史の偶然性に依存しているだけではありません。政治的・経済的権力の分配における、重要な変化が生じるごとに、立憲的合意事項が再考されるべきであるかどうか、という問題も、ロックの考えから生じてくるのです。
(講義Ⅲ 所有権と階級国家 第六節「階級国家の起源に合わせた物語」p318 )

イギリス名誉革命期に出てきた社会契約論としての意味を取り上げながら、後代の人間はロックの考えをさらに吟味していく必要があり、実際にそうされてきたということを示唆して、ヒュームやルソーの講義へとつづいていく。

www.iwanami.co.jp

【チェック箇所】
203, 223, 230, 250, 262, 264, 269, 272, 277, 283, 288, 294, 301, 302, 313, 316, 318,

ロールズ『政治哲学史講義Ⅰ』(原書 2007, 岩波書店 2011, 岩波現代文庫 2020 )
※サミュエル・フリーマン編, 訳:齋藤純一, 佐藤正志, 山岡龍一, 谷澤正嗣, 髙山裕二, 小田川大典

ロック
講義Ⅰ ロックの自然法の教義
 第一節 序 言
 第二節 自然法の意味
 第三節 根本的自然法
 第四節 平等の状態としての自然状態
 第五節 根本的自然法の内容
 第六節 自然権の基礎としての根本的自然法
講義Ⅱ 正統な体制に関するロックの解釈
 第一節 混合政体下における抵抗
 第二節 正統性に関するロックの基本的な論点
 第三節 正統な政治体制をめぐるロックの基準
 第四節 個々人の政治的責務
 第五節 憲法制定権力と政府の解体
講義Ⅲ 所有権と階級国家
 第一節 問題の提示
 第二節 問題の背景
 第三節 ロックによるフィルマーへの返答Ⅰ――第四章
 第四節 ロックによるフィルマーへの返答Ⅱ――第五章
 第五節 階級国家という問題
 第六節 階級国家の起源に合わせた物語

ジョン・ロールズ
1921 - 2002
ジョン・ロック
1632 - 1704