読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

ジョルジョ・アガンベン『幼児期と歴史 経験の破壊と歴史の起源』(原著 2001, 訳:上村忠男 岩波書店 2007)

動物から人間を隔てているものは言語活動ではなく言語活動をもたない状態(インファンティア:タイトルでは幼児期と訳されている)をも持っているところにあるとし、言語活動の主体を構成しつつ行う人間の言語活動の諸相を言語学・哲学・人類学・神学など様々な切り口から論じた論考集。記号論的なものと意味論的なものの差異、ラングとディスクールの分裂を身をもって生きることで経験と歴史を生み出していく人間存在に切り込んでいくシャープな論考。

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【目次】
序 言語活動の経験

インファンティアと歴史
経験の破壊にかんする論考

おもちゃの国
歴史と遊戯にかんする省察

時間と歴史
瞬間と連続の批判

君主とカエル
アドルノベンヤミンにおける方法の問題

おとぎ話と歴史
プレセペにかんする考察

ある雑誌のための綱領

解説――アガンベン読解のための第三の扉 上村忠男
訳者あとがき

【付箋箇所】
4, 9, 12, 20, 21, 28, 30, 41, 61, 70, 71, 91, 98, 105, 121, 125, 142, 155, 159, 165, 168, 177, 183, 184, 222, 239, 254

ジョルジョ・アガンベン
1942 - 

ja.wikipedia.org

上村忠男
1941 - 

ja.wikipedia.org