原典は『筆のすさびと落穂ひろい』(1851)の「処世術箴言」。著者63歳の時の著作。
思い切り要約すれば「健康で、余暇があって、朗らかに過ごせていれば幸福であろう」となる。ぜんぜんペシミストぽくはない。
少し変わった視点:
1.金銭は抽象的に欲望全般に合致するものだからよいものである(p70を要約)
2.誇りのなかでも最も安っぽいのは民族的な誇りである(p94)
3.自制によって、外部からの強制に先手を打つのは、賢明の策である(p249)。自制であれば手加減もできる。
ペシミズムというより青年期から引きずっているアイロニーが豊富。
ショーペンハウアー
1788 - 1860
橋本文夫
1909 - 1983