読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

ジョルジョ・アガンベン『いと高き貧しさ 修道院規則と生の形式』(原著 2011, 訳:上村忠男+太田綾子 みすず書房 2014)

ホモ・サケル」シリーズの一冊。大量消費社会を超え、生政治にも取り込まれることのない「到来する共同体」に向けてのケーススタディ的著作。イエスのように生きようとしたアッシジのフランチェスコとその後継者としてのフランシスコ会の修道士たちを中心に、世俗の法とは異なる領域で生きようとした人々の生の形式と世俗への主張について考察している。修道院においては人間の再生産(生殖)が基本的には行われないため、外部からの新たな参入者がなければその共同体は衰退し途絶えてしまうが、出家した人々の生が出家しない一般庶民にも影響を与えるということはなにも西欧世界に限ったことではなく、その歴史的な動向を西欧のキリスト教社会研究から学ぶということは、現代日本に生きる者にとっても参考になることは多い。

 

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【目次】
序文

I 規則と生
1 規則の誕生
2 規則と法律
3 俗世からの逃亡と創憲

II 典礼と規則
1 生の規則
2 口述と書記
3 典礼のテクストとしての規則

III 〈生の形式〉
1 生の発見
2 法権利を放棄する
3 いと高き貧しさと使用

解説 所有することなき使用  上村忠男
訳者あとがき

【付箋箇所】
17, 33, 35, 37, 76, 83, 92, 108, 110, 112, 136, 144, 147, 150, 161, 162, 179, 194

ジョルジョ・アガンベン
1942 - 

ja.wikipedia.org

上村忠男
1941 - 

ja.wikipedia.org

太田綾子
1947 -