読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2020-07-29から1日間の記事一覧

野口米次郎「釣鐘」(『沈黙の血汐』 1922 より )

釣鐘 私は釣鐘、空虚の心、………冷く寂しく、桷(たるき)からぶらさがつて、撞木(しゆもく)で敲(たた)かれるのを待つて居る。私はこれ感応の心、生れて以来幾十年間、生命の桷からぶらさがつて、独り無言で、人の圧力を待つて居る。ああ、空虚な私の心、…