読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

谷川俊太郎 『シャガールと木の葉』(2005)

追悼の詩が多く収められているので生の有限性に想いが行く。
チャールズ・M・シュルツ矢川澄子、寺島尚彦、高橋康也川崎洋石垣りん
 

以下の抜き書きは、追悼詩とはべつの詩作品から。

どんな時代の荒地にも芽吹く名もない草花
その種子はすでに用意されていた
せめぎあう人間の歴史をさかのぼり
見ることも聴くこともできない宇宙の沈黙のうちに
(「ゴールドベルク讃歌」p100)

 

未生以前のことを引き継ぐ生命。有限なもののその前への想い。

 

books.shueisha.co.jp2005

谷川俊太郎
1931 -