読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

ベルナール・スティグレール『偶有からの哲学(アクシデントからの哲学) 技術と記憶と意識の話』(原著 2004, 訳:浅井幸生 新評論 2009)

ハイパー・インダストリアル社会における意識の荒廃に向きあう哲学者スティグレールへのラジオインタビューの書籍化。消費者として細分化され分類可能な対象として個体としての生の唯一性を剥奪された状態で生きる現代人の生きづらい状況を浮き上がらせるべく語ったラジオ番組5回分の記録。

産業が自らの基準ばかりを、意識を特徴づける過去把持の現象に押し付ける、これがヘゲモニーと呼ばれる状態ですが、そうなった時点から意識は荒廃します。
(第3章「インダストリアルな時間的対象の時代における意識」より)

スティグレールは考える権利と現勢化(行為への移行)の責務から、搾取されつづけ貧困化していく現代社会に抵抗しようとしている。

www.shinhyoron.co.jp

【目次】
第1章 哲学者と技術
第2章 記憶としての技術
第3章 インダストリアルな時間的対象の時代における意識
第4章 意識、無意識、無知

【付箋箇所】
54, 110, 113, 118, 121, 124, 126, 136,  147,  150, 154, 166,  185,  187

ベルナール・スティグレール
1952 - 2020

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浅井幸生
1961 -