読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

今道友信『美の位相と芸術 増補版』(東京大学出版会 1971)

今道友信の主著のひとつ。体系的に書かれているため、著者の方向性がしっかり出ているとともに美学史全般に対するひとつの視座も与えてくれる。

特徴
 1.美的判断は趣味判断ではなく理性判断であると主張しているところ
 2.機械化の極度に進んだ現代の技術社会における芸術の様相を扱っているところ
 3.限定し個別化する無の作用について多く論じているところ

カントの『判断力批判』と対決しているような印象もあるのだが、その点に関しては(そんな簡単に批判できるんだっけと)比較しながら読み直してみる必要がある。

www.utp.or.jp

【目次】
緒論
 第1章 美の位相と芸術
 第2章 自然美の問題
芸術と論理
 第3章 美的判断について―その質に関する考察―
 第4章 美的判断について―その量に関する考察―
 第5章 関係と様相
 第6章 表現とその論理的基礎
芸術と技術
 第7章 技術と芸術の交錯―現代技術と美学的諸問題―
 第8章 現代社会と芸術―現代芸術と技術工学の問題―
芸術と人間
 第9章 芸術と時間
 第10章 言語と美
 第11章 批評とクリティーク―反批判的精神の学的勧告―
芸術と死
 第12章 限定と芸術
 第13章 芸術における超越の問題―孔子の美学について―

【付箋箇所】
10, 18, 56, 62, 78, 82, 86, 88, 106, 116, 119, 122, 123, 129, 137, 152, 160, 189, 191, 200, 213, 216, 227, 231, 235, 241, 257, 266, 274, 280, 290, 292, 316, 328, 396, 401, 412, 414, 496, 498

今道友信
1922 - 2012

ja.wikipedia.org