思惟と認識の無限を語るヘーゲルの論理学はなんだか心強さを与えてくれる。
モーゼの伝説には、神は人間をエデンの園から追放し、もって人間が生命の木の実をも食べないようにした、と言われているが、この意味は、人間は自然的側面からすれば、有限で死すべきものであるが、認識においては無限であるということである。
(「予備概念」 p130 )
先行テクストを読むことに関するヘーゲルの能力の高さにも驚きながら読みすすめた。『大論理学』にも手を伸ばしてみたい。
【付箋箇所】
上巻:
65, 90, 109, 122, 125, 130, 137, 143, 150, 153, 178, 182, 184, 186, 192, 193, 202, 207, 219, 234, 237, 242, 249, 267, 270, 274, 284, 288, 316, 330
下巻:
12, 29, 33, 37, 54, 57, 84, 88, 100, 117, 119, 150, 200, 205, 208, 209, 211, 218, 229, 238, 240, 248, 252
目次:
[上巻]
第一版への序文(一八一七年)
第二版への序文(一八二七年)
第三版への序文(一八三〇年)
エンチクロペディ―への序論
論理学(エンチクロペディ―第一部)
予備概念
A 客観に対する思想の第一の態度
B 客観に対する思想の第二の態度
一 経験論
二 批判哲学
C 客観に対する思想の第三の態度
論理学のより立入った概念と区分
第一部 有論
A 質
a 有r
b 定有
c 向自有
B 量
a 純量
b 定量
c 度
C 限度
[下巻]
第二部 本質論
A 現存在の根拠としての本質
a 純粋な反省規定
イ 同一性
ロ 区別
ハ 根拠
b 現存在
c 物
B 現象
a 現象の世界
b 内容と形式
c 相関
C 現実性
a 実体性の相関
b 因果性の相関
c 相互作用
第三部 概念論
A 主観的概念
a 概念そのもの
b 判断
イ 質的判断
ロ 反省の判断
ハ 必然性の判断
δ 概念の判断
c 推理
イ 質的推理
ロ 反省の推理
ハ 必然性の推理
B 客観
a 機械論的関係
b 化学論的関係
c 目的論的関係
C 理念
a 生命
b 認識
イ 認識
ロ 意志
c 絶対理念
ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
1770 - 1831
松村一人
1905 - 1977
参考: