読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2021-04-29から1日間の記事一覧

宇佐美斉訳『ランボー全詩集』(ちくま文庫 1996 ) 陶酔と忍耐

京大名誉教授で仏文学者である宇佐美斉のランボーは、先行する訳者、たとえば小林秀雄や中原中也などと比較すると、だいぶ穏当な表現になっていて、情動に訴えかけるという面ではすこし物足りないところもあるのだが、フランス近代詩の早熟の天才の感性と令…