読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

北大路翼『加藤楸邨の百句 人間の業と向き合ふ』(ふらんす堂 2020)

俳人で廃人の北大路翼が、師匠の師匠であるところの加藤楸邨の俳句から百句を選んで鑑賞している本。無頼の感受性から一気に句に肉薄していく姿勢が気持ち良い。癖の強い二人の俳人カップリングで、人間臭い俳句表現の世界を見せてくれている。

枯れゆけばおのれ光りぬ冬木みな
山ざくら石の寂しさ極まりぬ
生きてあれ冬の北斗の柄の下に
火の奥に牡丹崩るるさまを見つ
恋猫の皿舐めてすぐ鳴きにゆく

何といっても「石」がたまらない。「石」の真の寂しさに辿りつけるのは楸邨とつげ義春ぐらゐだらう。

これは「山ざくら」の句の評の一部。北大路翼は旧仮名遣い。

furansudo.ocnk.net


加藤楸邨
1905 - 1993

ja.wikipedia.org


北大路翼
1978 - 

ja.wikipedia.org