読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2025-09-01から1ヶ月間の記事一覧

選:小澤實『近現代俳句』(河出文庫 古典新訳コレクション 2025)

本書は池澤夏樹個人編集の日本文学全集29『近現代詩歌』から「俳句」部分を分離独立させた一冊。原句に口語訳と解釈を合わせているのが特徴。選句も感心するが付箋をつけたところは選者の解釈の妙によるところが大きい。 避けがたき寒さに坐りつづけをり …

ベンス・ナナイ『美学入門』(原著 2019, 訳:武田宙也, 人文書院 2025)

著者の主張と思われるものを箇条書きにしてみる。 ・美学は判断ではなく経験に関する学問・美学は真偽ではなく良し悪しを問う・芸術は注意の向け方を変えてくれる人工物 とくに「美学は判断ではなく経験に関する学問」というのは、美学発生以来の傾向に異を…

髙柳克弘『究極の俳句』(中公選書 2021)

髙柳克弘は1980年生まれで21世紀初頭を代表する俳人の一人、早稲田大学講師。 本書の基本主張は、俳句は伝統的な文芸ではあるが本来的には自由で新しい、そして俳句は言葉の結びつきが生み出す衝撃と感銘を創造していくものである、というもので、そこ…

W・H・オーデン『もうひとつの時代』(原著 1940, 訳:岩崎宗治, 水声社 2025)

真面目で誠実な詩作。ずっしりくる、思想を丹念に埋め込んだ抒情詩。困難のなかでキリスト教的な聖なる愛を謳うモダニズムの詩人。ただオーデンは同性愛者でもあって、その精神性は複雑なうえに繊細。 www.suiseisha.net 【目次 および付箋箇所★】 チェスタ…

クレメント・グリーンバーグ『近代芸術と文化』(原著 1961, 訳:瀬木慎一 紀伊國屋書店 1965)

反装飾の美術批評。 【付箋箇所】15, 25, 34, 37, 45, 47, 58, 59, 79, 90, 99, 106, 109, 117, 131, 154, 160, 174, 180, 182, 188, 201, 224, 228, 234, 256, 259, 280, 283, 302, 315, 318 クレメント・グリーンバーグ1909 - 1994 ja.wikipedia.org

アントワーヌ・アルノー+ピエール・ニコル『ポール・ロワイヤル論理学』(原著 1965, 1683 第5版, 訳:山田弘明+小沢明也)

17世紀、デカルトやパスカルの先端哲学を融合させた論理学の教科書。真理に関する言説の見本市。 www.h-up.com 【目次】第一講話 この新しい論理学の計画が示される 第二講話 この論理学に対してなされた主要な反論への答弁が含まれる 論理学あるいは思考…