医学、メディア、言説、享楽などさまざまな領野における経済性と効率性に対する戦いの宣言書。のっぺりとして歯止めの効かなくなっていく内面と社会に対して、起伏と陰影のある溜めと含みを持った反現代的とも言える内面と社会を擁護している。時に戦いの相手である者たちの経済性と効率性が魅力的に見えてくることもあるのだが、それは論者のものの見方と捉え方が一方的でないことを示しており、逆に信用がおける。
【目次】
第1章 「心の時代」とはどういう時代か
第2章 他者は近く、そして遠く
第3章 子どもの国のヰタ・セクスアリス
第4章 コンテンツなき身体、思考なき無意識
第5章 フォン・ハーゲンスのアートと「二つの死のあいだ」
第6章 精神分析の詩学―メタファーと心的空間
第7章 症状なき主体は彷徨う
第8章 エビデンスの光のなかで
【付箋箇所】
23, 31, 35, 47, 49, 51, 53, 57, 65, 86, 94, 107, 109, 122, 132, 139, 152, 156, 192, 200, 208, 214, 219, 229, 232, 236, 249, 260, 278, 291, 295, 297
立木康介
1968 -