読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

安谷白雲『禅の心髄 無門関』(春秋社 1965)

「無門関」は中国宋代臨済宗楊岐派の禅僧無門慧開(1183-1260)によって著された公案集。全48則。

岩波文庫の『無門関』や講談社学術文庫から出ている秋月龍珉『無門関を読む』では歯が立たなかったので、より解説が充実したものを求めて手に取った一冊。

本来、師の下で自分で参究すべきところの公案を、解説書であるので、邪道とは言え、あえておおよその筋道を示し、間違ってしまわないように教えてくれている。もともとは欧米知識人向けに執筆されたもので、禅初学者向けの理に重きを置いた書籍。

公案ごとの読み筋を押さえてくれているので、間違った解釈に陥らないように配慮されていて、最短距離で公案の核心部分に導いてくれている。導いてくれてはいるのだが、見性に至るまでは各々の参究が必要なので、あくまで参考の助言にとどまる。

すべての現象は、虚妄といえば全部虚妄であり、真実といえば全部真実である。もしも真実と虚妄と二つあると見るならば、それは二元対立の凡夫の頭であって、断じて絶対唯一の世界に通達した人とは言えない。

すべての現象をひとつの真実と見ることを勧める教えの体系としての、禅。

すべての現象は、虚妄といえば全部虚妄であり、真実といえば全部真実である。もしも真実と虚妄と二つあると見るならば、それは二元対立の凡夫の頭であって、断じて絶対唯一の世界に通達した人とは言えない。

通達した人であるか否か、凡夫か否か、切り分ける者たちはいるとしても、その切り分け自体が正しいかどうか疑う立場に、迷い、立つことが、仏道の初心に適っているのではないかと考えさせられるような一冊。

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【目次】

【付箋箇所 上段a,下段b】
2, 9, 11, 22, 29b, 32a, 33b, 38a, 41a, 42b, 81b, 87a, 92b, 112a, 116a, 118b, 129a, 145b, 153a, 158a, 159b, 197a, 215b, 217a, 222a, 229a, 232a, 236b, 237a, 241b, 242b, 244a, 249b, 259a, 272a, 278b, 290b, 295b, 311b, 318a


無門慧開
1183 - 1260

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安谷白雲
1885 - 1973

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