世阿弥の「風姿花伝」「花鏡」の能楽論をもとに書かれたビジネス書。世阿弥の言葉は孫子の兵法などに通じるものがある。
2002
世阿弥の大きな教えはやはり「初心忘るべからず」ということ。
いつの年齢でも「初心」を忘れるなと、世阿弥がいうのは、どんな年齢でも、その時にぶつかる新しい課題があって、そこでは、やはり基礎的な訓練が必要になるからだ。p123
歩きはじめは、そろそろと。
内容一覧:
はじめに ― 世阿弥、マーケットに立つ!
第一章 世阿弥の人生戦略論
1 リスト時代の「初心」
2 チャンスをつかむ力こそ、「時節感当」
3 勝負の波を読む 「男時・女時」
4 新しさの演出、「秘すれば花」
5 「軽々と機をもちて」宇宙のリズムを感じる
6 背中を見ていてくれる人間がいるか「離見の見」と「目前心後」
7 自由であるために「鶯飼うこと」を禁ず
8 自分自身をコピーするな「住する所なきを、まず花と知るべし」
9 次期社長への戒め「家、家にあらず。次ぐをもて家とす」
10 完成はない「稽古は強かれ、情識は無かれ」
11 ホームグラウンドを持て「衆人愛敬」
第二章 世阿弥の創造性
1 「旅」の発見 境界を越える方法
2 能は情報カプセル 「名所教え」
3 能は「夢」のカプセルのなかにある 夢幻能
4 退屈さの発見 声を合わせる場所
5 ブランド・イメージの創造 「花」と「幽玄」
6 情報の集積をする世阿弥 創造と作り変え
第三章 人生のシステム 世阿弥の人生論
1 幼年期
2 少年期前期
3 少年期後期
4 青年期
5 壮年期前期
6 壮年期後期
7 老年期
8 世阿弥の人生論の中心 人生の完成としての「老い」
9 おわりに、そして「初心」へのはじめに
あとがき
土屋恵一郎
1946 -