基本的に見開きの二頁に「解説」と「寸話」という構成で禅語を紹介していく著作。
著者の悟りの経験をベースにして、やわらかい語り口で禅の教えを説いている。禅の本質でもある人それぞれの資質にあった道に導くことに意を用いた教育的な書物。勉強にも仕事にも有効な慈悲深く懐の深い求道精神に出会える。
著者は臨済宗天龍寺派管長であり、花園大学教授でもあった人物。ですます調ということもあってか、臨済宗系の人の傾向としてある禅機の攻撃的感じは消えている。
仏といっても本当はみな人間です。しかし、人間といえば凡夫ということになってくるので、そういう人間の本来の姿に目覚めた人は、ふつうの人間として見てはいけない。そこで、仮に仏という方便をたてて、そういうことばを使っただけです。
(「宝所在近更新一歩」より)
【付箋箇所(実際は旧字)】
主人公、明珠在掌、涅槃妙心、騎牛求牛、八風吹不動、水急不流月、海神知貴不知価、冷暖自知、主山高按山低、長者長法身短者短法身、陰陽不致処一片好風光、一心不生万法無咎、独座大雄峰、不風流処也風流、両忘、常楽我浄、茶禅一味、良賈深蔵若虚、宝所在近更新一歩、円同大虚無欠無余、万里無雲時晴天須喫棒
平田精耕
1924 - 2008