読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2020-03-14から1日間の記事一覧

野口米次郎「蓮花崇拝」( The Pilgrimage 1909『巡礼』 より )

蓮花崇拝 礼拝者は、谷からも山からも忍び寄る、この心は着物と共に、白い。彼等は今聖き池のまはりに坐る、池はこれ蓮花の聖殿………暗明の水を貫く無音の蕾は、恰も合掌の女僧のやうだ。恰も合唱の女僧のやうに、礼拝者は合掌する祈願する、沈黙の祈禱は言葉…

会津八一『自註鹿鳴集』

教養と詩才は単純な相関関係にはない。美術史家、書家として著名であることが歌人としての評価を多分に高めているのではないかというような下衆の勘繰りをめぐらせても詮無いことだが、和歌短歌の業界人ではない読者にとっては、「会津八一の歌」と言われて…