読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

亀井俊介編『対訳 ディキンソン詩集』(岩波文庫)

対訳に解説と訳注をコンパクトにまとめて、50篇の詩を紹介している。
選択されているのは比較的メジャーな詩が多いかもしれない。
※ほかの選集と被っている印象が強い。

 

以下は、訳注も含めて本書の特徴が出ていると私がおもったところ。

Himself - to Him - a Fortune -
Exterior - to Time - 
[448: 1862]
詩人は - みずからが - 財産で - 
時間の - 外にあるのです - 

(訳注)

Himself - to Him - a Fortune 彼自身が彼にとっては財産。ディキンソンがよく用いる動詞を省略した語法。
Exterior - to Time 詩人は時間の外にある、時間を超越した(存在)。このあたりの超越的な詩人観は、R.W.Emersonなどの超絶主義に近い。

 

原詩に触れてみようと思わせてくれる一冊。

 

www.iwanami.co.jp

エミリ・ディキンソン
1830 - 1886
亀井俊介
1932 -