読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2020-10-16から1日間の記事一覧

本山幸彦『人と思想 47 本居宣長』(清水書院 1978, 2014) 歌論から古道、儒教批判へ

1757年、宣長28歳、京都での遊学を終え松坂に帰ってのちに賀茂真淵『冠辞考』を読んだことが、王朝文学から古事記へと向かい、儒教批判論者としての骨格を固めていった決定的な出来事であった。出会うべくして出会った作品であり師である。真淵の死も…

マルティン・ハイデッガー「ヘーゲルの『経験』概念」(原書 1950 理想社ハイデッガー選集2 細谷貞雄 訳 1954) 『精神現象学』を評価するハイデッガー

ヘーゲルが『精神現象学』を一八〇七年にはじめて公表した際の表題「意識の経験の学」の「経験」にこだわって講義論述された論文。学問の世界で一般的に流通している「現象学」ではなくて「経験の学」こそ大事だという主張がある。 自己の知が対象に即応しな…