読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

野口米次郎「夜」(『夏雲』1906 より)

 夜の睡! 夢の世界!
 動揺の魂よ眠れ、汝の愛も富もさては汝の魂も体もすべてのものを神様に返して仕舞へ。ああ睡眠! 何たる夜と影の歌よ。
 女性の星よ、今日は歌ひ給ふな。私は無となつて、君のやうに輝く私の恋愛を忘れたい。ああ世界よ眠れ、天国も地獄も共に眠れ、眠れ、眠れ!
 
(『夏雲』1906 より)

野口米次郎
1875 - 1947
 
野口米次郎の詩 再興活動 No.031