読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

【モンテーニュの『エセー』つまみぐい】06.岩波文庫の原二郎訳をおもに風呂場で読みちらかしていた2022年7月

六月末にブックオフで第二巻が欠落していたモンテーニュの『エセー』岩波文庫版に出会い購入。第二巻は「レーモン・スボンの弁護」で、これは白水社宮下志朗訳で去年読んでいたので、無くても誂え向きといったところ。7月に入って第一巻から読みはじめて、7月が終わるころに6巻まで読み終えた。所蔵本ということで、これから先水没等の不慮の事故でどうしようもなくなって捨てることはあっても売ることはないので、風呂場に持ち込んで湯舟にとっぷり浸かりながら読んだ。とくに、岩波文庫版だと五巻と六巻にあたる1588年に新たに刊行された「エセー」第三巻部分は、先行して出版されていた部分に比べて、文章の息が長くなり、書かれている内容も鷹揚さが一段と増し、精神的に非常に安定した印象で、しみじみと読みすすめた。飲酒量も少なかったこともあって、一ヶ月で五冊分を読んだ。
とりあえず全巻読了したので、これから先は本当に気ままに拾い読みすることができる。

 

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ボルドーの市長も務めたモンテーニュ、尿管結石に苦しみながらもワインはずっと飲んでいたモンテーニュ。『エセー』読了記念でワインで祝杯でも上げればいいものを、7月以降は焼酎とバーボンしか飲んでいない。無粋。

 

 

ミシェル・ド・モンテーニュ
1533 - 1592
原二郎
1919 - 2000