読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

集英社 漢詩体系17 蘇東坡(1037-1101)(訳・解説 近藤光男 1964年一刷発行 )どこに行っても言葉に不自由しない苦吟と無縁の詩人の業績

蘇軾。中国北宋の人。政治家としては守旧派、詩人としてはどの地域のどの主題にも対応できる万能の人。書家、画家としても優れ、音楽も能くする。革新派との政治的な勢力争いの中で、左遷と地位回復を繰り返した人生の中での詩作。66年の生涯で、2714首の詩を物し、そのうち約200篇を選出した選集。日本でいえば平安中期、白河天皇の『後拾遺和歌集』の時代。11世紀の世界の詩としては、他に『ルバイヤート』がある。

卜算子

缺月挂疏桐
漏斷人初靜
時見幽人獨往來
縹緲孤鴻影

驚起卻回頭
有恨無人
揀盡寒枝不肯棲
寂寞沙洲冷

本巻には中国の絵画や水墨画なども詩にあわせるようにして収められていて、美しい。

 

【付箋箇所】
・石蒼舒酔墨堂
・戯子由
・水調歌頭
・舟中夜起
・卜算子
・東坡八首
・去歳九月二十七日 在黄州 生子 遯小名幹兒 頎然穎異 至今年七月二十八日 病亡於金陵 作二詩哭之
・水龍吟
・書晁補之所蔵與可畫竹 三首
・和陶止酒
・倦夜

目次:

Ⅰ 石鼓の篇 1059-1068
Ⅱ 西湖の篇 1069-1074
Ⅲ 秋月の篇 1074-1079
Ⅳ 海棠の篇 1080-1084
Ⅴ 翰林の篇 1085-1094
Ⅵ 南海の篇 1094-1101


蘇東坡
1037 - 1101

近藤光男
1921 -