読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

太田記念美術館監修、日野原健司解説『ようこそ浮世絵の世界へ An Introduction to Ukiyo-e, in English and Japanese』(2015)

図版の数は比較的少ない感じがするが、少ないなかで絵師の魅力を最大限に伝えている。選択の妙が味わえる。
特に喜多川歌麿の繊細な線の良さが感じられる一冊となっているように思えた。「富本豊ひな」「歌撰恋之部 物思恋」「逢身八景 お半長右衛門の楽顔」とか見ていると何となく浮遊感を感じさせてくれる。

www.tokyo-bijutsu.co.jp

第3部「技法に迫る」も興味深い。


目次:

はじめに

第1部 絵師と出会う
 鈴木春信、喜多川歌麿東洲斎写楽葛飾北斎歌川広重歌川国芳

第2部 主題を楽しむ
 富士山/雪月花:雪、月、花/都市のにぎわい:名所、歌舞伎、相撲/衣食住:衣、食、住/男と女:美女、美男子、侍、恋愛/子ども/動物:猫、リアル、カワイイ/恐怖と笑い:妖怪、ユーモア

第3部 技法に迫る
 錦絵が誕生するまで/浮世絵版画ができるまで/下絵・版下絵/彫りの技術/摺りの技術/異板


日野原健司
1974 -