プルードンの『所有とは何か』が面白かったので、同じ訳者による最新のプルードン入門紹介の翻訳書である本書を手に取ってみた。訳者あとがきでの「プルードン概説書の決定版」との評価にたがわず、プルードンの全体像がよく伝わる優れた仕事だと感じた。
資本制の傾向に逆らい富と所有を平等化しようと奮闘するプルードンは、「集合の力」と「自由」と「平等」に関する思索を深め、アナーキズムから連邦主義へと理論を発展展開させていく。「社会的視点においては、自由は連帯と同義語である」という認識はとても魅力的であり且つ強力なもので、プルードンの倫理的姿勢を見事にあらわしているものであると思う。所有のひとつとしての知的所有、芸術に関しても、非特権的な姿勢を貫いていて、あくまで集合的知性に由来するものであり、排他的専有の対象とはならないと喝破しているところはすがすがしい。才能や出自に関わる無意識的信仰を批判する力は今なお鮮烈なものを持っている。
【目次】
序章 一九世紀の革命を生きた、ある生涯
第一章 所有―奴隷制と自由のあいだで
第二章 秩序の認識論の基礎
第三章 宗教のパラドクス
第四章 国家の政治神学
第五章 デモクラシー再考
第六章 歴史の揺れ動き
第七章 相互主義
第八章 権利と正義
第九章 戦争から平和へ
第十章 連邦主義について
結論 プルードンを超えるプルードン
訳者あとがき
【付箋箇所】
14, 20, 25, 32, 63, 68, 78, 109, 113, 119, 140, 152, 166, 170
ピエール=ジョゼフ・プルードン
1809 - 1865
エドゥアール・ジュールダン
1981 -
伊多波宗周