読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

クラシック音楽

藤富保男訳編『エリック・サティ詩集 増補版』(思潮社 1997)

既成の音楽の概念におさまらないような曲を書き続けたエリック・サティが楽譜に書いていた文章を、日本の詩人藤富保男が拾い集めて翻訳し、行分け詩の形に整えた作品集。音楽同様、いい感じに力を抜けさせてくれる。実生活では貧困とアル中とでたいへんなよ…

四月は残酷な月 トマス・スターンズ・エリオット『荒地 THE WASTE LAND』( 1922 )冒頭四行を吉田健一訳で (ラフマニノフのピアノ組曲第一番「幻想的絵画」を流しながら)

四月に入ってからの引越準備で吉田健一の訳詩集『葡萄酒の色』が出てきたので暫し再読。新しい住まいに移動させる必要があるかないかという視点から所有していた本のうちざっくり1000冊くらいは捨てただろうか。覗きなおしながら捨てていたためちょっと…

ひのまどか『ブラームス ――人はみな草のごとく――』(リブリオ出版 1985) 「自由に、だが孤独に」を人生のモットーにしたブラームス64年の生涯

長風呂のお供にブラームスのピアノ曲をよく聴いている。一番聴くのはグレン・グールドの輸入盤2枚組ピアノ曲集「Glenn Gould Plays Brahms - 4 Ballades Op.10, 2 Rhapsodies Op.79, 10 Intermezzi」。最近はハイデッガーの『ニーチェ』を風呂場で読んでい…

【4連休なので神秘思想への沈潜を試みる】08 着地: 神秘思想読書チャレンジ中のBGMはずっとバッハの「音楽の捧げもの」だった

4連休用に準備した神秘思想関連本、プロティノス、マイスター・エックハルト、スウェーデンボルグ、ルドルフ・シュタイーナー、カンディンスキー、ウィリアム・ブレイク。6人中4人で7割弱程度の達成率。ブレイクは息抜きに中途半端に読むよりも、別途ち…

谷川俊太郎 『私』(2007)+ 武満徹 『夢の引用』

言いたいことはないのに起き出して紙に語を並べるのは言葉を石ころのように転がしておきたいから(「入眠」p37) 獣の睦言鉱物の喃語(「≪夢の引用≫の引用」p71) 谷川俊太郎『私』(2007年11月/思潮社) - 日本現代詩歌文学館 武満徹の音楽に想を得…

ヴェクサシオン 高橋アキとチッコリーニ

近頃ヴェクサシオンをエンドレスで聞いていられるようになったのでメモ。きっかけは高橋アキの演奏。 リモート勤務の際にヴェクサシオン(840回相当量)を聴いていられるか何度か試してみていたが、いつも二時間程度で苦痛を感じて挫折していた。聴いていた…