読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

空海

竹村牧男『空海の哲学』(2020, 講談社現代新書)

唯識思想や華厳思想が専門の著者が宗門を超えて空海の「即身成仏」をマテリアリスティックに読み解くしびれる一冊。 この環境世界も仏国土そのものであるのが実情なのである。じつに「草木国土、悉皆成仏」である。この句の意味は、「草木国土も悉皆、未来に…

空海『即身成仏義』(加藤精一編 角川ソフィア文庫 ビギナーズ日本の思想 2013)

空海の思想の中心はやはり即身成仏。詳細な解説書を読む前に、原文読み下し文と簡易解説に触れておくほうが良いと思うので、角川ソフィア文庫のビギナーズ日本の思想シリーズを手にされることをすすめる。 【即身成仏の頌】六大無礙にして常に瑜伽(ゆが)な…

アントニオ・ネグリ『スピノザとわたしたち』(原書2010, 訳書2011)

『野生のアノマリー スピノザにおける力能と権力』(1981)から30年たったところで出版されたネグリのスピノザ論集。会議での発表用テキスト四本に序章を追加した著作。口頭発表用の原稿とあって、味わいが濃いわりに、理解もしやすい。聴衆や読者の好奇心を…

高村薫『空海』(2015)

高村薫が空海を取材する必然性があまりよく分からない一冊。密教の身体感覚というところで空海に結び付くのだろうけれど、空海自身の思想が立ち上がってくるわけではなく、行者の一傾向がクローズアップされているような印象があった。 寶壽院は典型的な祈祷…

空海 性霊集 目次(表形式)

空海 性霊集日本古典文学大系71 三教指帰 性霊集渡辺照宏・宮坂宥勝 校注 性霊集全10巻の内容についての資料 表形式で整形カラムの定義第1カラム:巻数第2カラム:作品番号第3カラム:詩の有無第4カラム:題 遍照發揮性靈集 巻第一 1 1 〇 山で遊むで仙…

空海 性霊集 CSV資料

空海 性霊集日本古典文学大系71 三教指帰 性霊集渡辺照宏・宮坂宥勝 校注 性霊集全10巻の内容についての資料 CSV形式で整形カラムの定義第1カラム:巻名第2カラム:作品番号第3カラム:詩の有無第4カラム:題 1,1,〇,山で遊むで仙を慕ふ詩 併序1,2,〇,秋…

空海 性霊集

空海日本古典文学大系71 三教指帰 性霊集渡辺照宏・宮坂宥勝 校注 図書館物件 性霊集十巻読み下し文で通読。総ルビなので読めた。感嘆。ため息が出た。 巻第八72 招提寺の達嚫の文一首 より心暗きときは即ち遇う所悉く禍なり、眼明らかなれば道に触れて皆宝…

NHK取材班 「『空海の風景』を旅する」

NHK取材班『空海の風景』を旅する2002, 2005 『空海の風景』を旅する|文庫|中央公論新社 留学資金を自費で賄った空海、山の民に通じた空海という二つの視点が印象的。また、各所にちりばめられた空海にまつわる写真が新鮮。空海密教のパワーを映像で伝えて…

梅原猛 『最澄と空海 日本人の心のふるさと』

梅原猛最澄と空海 日本人の心のふるさと2002, 2005 www.shogakukan.co.jp 良書。日本の土着信仰、山岳信仰と融合した密教という視点が濃厚。空海の部から最澄の部へと読み進めたほうが上記視点はよく感じとれる。また、厳格な戒律と修行による即身成仏の教え…

渡辺照宏+宮坂宥勝 『沙門空海』

渡辺照宏+宮坂宥勝沙門空海1967, 1993 筑摩書房 沙門空海 / 渡辺 照宏 著, 宮坂 宥勝 著 基本図書。生涯全般を追える作品。 気になった点:・空海につづく人物が宗門から出こないことについて空海以後において、彼の真言密教はほとんどいかなる意味において…

上山春平 『空海』

上山春平空海1992 (品切れ・再販未定)再販希望図書館物件 朝日新聞出版 最新刊行物:書籍:空海 良書。本書は研究書的な位置づけにある著作ではあるが、司馬遼太郎の『空海の風景』に匹敵する小説的著述としてのパワーがある。衝撃度的には本書のほうが上…

宮坂宥勝 『空海 生涯と思想』

宮坂宥勝空海 生涯と思想1984, 2003 筑摩書房 空海 生涯と思想 / 宮坂 宥勝 著 著者の空海関連のエッセイ18篇を集めたもの。空海本一冊目ではなく、興味を持ってからのつまみ食い本、復習本としての利用が吉。 おすすめは日本仏教史上における空海 最澄と…

梅原猛 『空海の思想について』

梅原猛空海の思想について1976, 1980 bookclub.kodansha.co.jp 肯定する空海の強調。100ページで一挙に核心に連れて行ってくれます。『生命の海 「空海」 仏教の思想〈9〉』所収の「死の哲学から生の哲学へ」よりも、空海の個別の著作によりそいながら彼…

宮坂宥勝+梅原猛 『生命の海 「空海」 仏教の思想〈9〉』

宮坂宥勝+梅原猛生命の海 「空海」 仏教の思想〈9〉1968, 1996 www.kadokawa.co.jp 密教の再発見 対談:宮坂宥勝+梅原猛 隠れた真相があるというのが、やはり秘密じゃないかと思うのです。近代的な意味の神秘主義ではないんですけれども、そこに、何かとらえ…